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フッ素塗布について
2023年改訂!フッ素推奨濃度の大きな変更点
2023年1月、日本小児歯科学会を含む4つの主要な学会が、フッ化物配合歯磨剤の推奨基準を大幅に改訂しました 。この改訂は、以前の日本の基準が他の先進国に比べて低かったことを背景に、より効果的な虫歯予防を目指すものです 。世界保健機関(WHO)の報告によれば、フッ化物の濃度を500ppm上げることで、虫歯予防効果が約6%向上することが示されています 。
新しいガイドラインの主な変更点は以下の通りです。
- 歯の萌出〜2歳まで: 従来の500ppmから900〜1000ppmに引き上げられました 。
- 3〜5歳: 従来の500ppmから1000ppmに引き上げられました 。
- 6歳以上: 6歳から14歳までの年齢区分が「6歳〜成人・高齢者」と統合され、推奨濃度が従来の1000ppmから成人同様の1450〜1500ppmとなりました 。
また、年齢に応じた歯磨剤の使用量も明確に推奨されており、例えば0〜2歳は米粒程度、3〜5歳はグリーンピース大が目安とされています 。これらの基準は、単なる知識の更新ではなく、科学的根拠に基づき、お子様の虫歯リスクを最小限に抑えるための重要な戦略的転換点となります。
フッ素の作用メカニズム:なぜ虫歯を予防するのか?
フッ素が虫歯予防に有効な理由は、その多角的な作用メカニズムにあります。
- エナメル質の強化と再石灰化の促進: フッ素は、歯の表面のエナメル質に取り込まれると、フルオロアパタイトというより安定した結晶構造を形成します 。これにより、歯の酸に対する抵抗力が大幅に向上します 。また、虫歯の初期段階で歯のエナメル質が溶け出す「脱灰」を逆転させ、唾液中のカルシウムやリンと結合して「再石灰化」を促す働きもあります 。初期の虫歯であれば、この作用だけで自然治癒するケースも少なくありません 。
- 細菌の抑制: 虫歯の原因となる細菌(特にミュータンス菌)の代謝を阻害し、酸の生成を抑制する働きを持っています 。これにより、口腔内の酸性環境を改善し、歯が溶けるリスクを低減させます。
これらの作用は、単に歯を「強くする」だけでなく、「歯の修復を助け」「虫歯の根本原因である細菌の活動を抑える」という複合的な効果を生み出します。
以上 フッ素にまつわるお話でした。何か分からないことがあれば詳しくはスタッフにお尋ねください。
